雇われない生き方を目指す人の必修科目 「クリエイターのための自営学」

 

 
2. ビジネス・ルールの基礎知識

 2-1 値決め、支払条件は受注時に確認
≫2-2 納品書、請求書の発行
≫2-3 仕事用の印鑑

 

2-1 値決め、支払条件は受注時に確認

フリーランスのクリエイターには、どうしても“お金に弱い”というイメージがつきまとう。これは、業界の慣習で、発注側が値決めもしないまま口頭で依頼し、仕事が完了してから(その評価を加味して)請求金額を決めることが多いからだ。すべてが、口約束で進んでしまう。

例えば、納品後、クライアントが気に入らないからとボツになったり、担当者の上司が急に変わって方針が転換、作業中の仕事はペンディングとか。こんなケースの場合、よほど強い立場に居ないと、経費の請求がしずらい。
“損して得取れ”と言う場合も、ないことはないが、次の仕事でカバーするからと言われても、今度とオバケは出るかどうか? まして、長期に渡ってかかわった仕事だと、その損害も大きい。
もし、外注や仲間に参加してもらって進行していたとすると、信用はガタ落ち。そうしたくないと、外部へ依頼した経費を自分で負担するとなると、損失はさらに大きくなる。

そこで、受注する際には、次のポイントを確認しておこう。

仕事がどの段階のものか確認
・決定事項としての仕事の発注か
・社内プレゼンが通ったら、正式な発注となるものか
企業の担当者がこんな提案を社内へしたいと言って相談してくる場合がある。
・コンペがあるかどうか
※コンペ:クライアントが数社へ企画を発注し、その中から選ぶ方式。
制作予算を確認し、制作見積書を作成し、受注金額を交渉
プレゼン倒れ、途中キャンセルの場合の経費の請求は出来るかどうか
変更、追加があった場合、別途請求となるか確認
全部コミコミ、これでポッキリ予算という時もある。
発注会社の請求書の締め日、支払サイト、支払方法(現金、手形)
「発注書」を発行してもらう
業務体制がしっかりしている企業であれば、必ず「発注書」を発行する。
 しかし、制作系の業界は、前述したように、口頭で進めるのが常識なので、
 書式が無い場合もある。そういう時は、自分で「受注書」のフォームを作成して、
 発注者に押印をしてもらうとよい。この紙一枚が、後々効力を発揮するのである。

ビジネスライクに、サラリと、にこやかに、お金の交渉ができるようになるともう一人前。“いい仕事をやってくれる、そして、なかなかしっかり者だね。”という評価あたりがいいのではないだろうか。それは、発注する側からも、信頼のおける存在となるのだ。

 

2-2 納品書、請求書の発行

数量のある製品を納めるわけではないので、ソフトの業種では、通常「納品書」を付けるケースは少ないのだが、トラブルを防ぐ意味から「納品書」を発行するとよい。

最近はオンラインでデータ納品ということもあるので、Eメールで「納品書」を作成し、プリントアウトしてファイリングしておくのも方法だ。(取引に関する書類は、一定の期間保存しておく義務がある。)
その時、「納品書」の下欄に返信フォームを付けておき、受領サインをもらい、送り返してもらうようにしておけば間違いがない。納品は、担当者の手元に届いてはじめて完了することをお忘れなく。

次に、納品した仕事に対して「請求書」を発行する。取引先企業により各々、請求書の締め日が決められているので注意しよう。締め日を過ぎたものは、翌月回しとなるため、入金がさらに1ヵ月遅れてしまう。請求書を郵送する場合には、一般の通信文書と分けるために、封筒の表に「請求書在中」と記載しておく。(ゴム印が売っている)

 

2-3 仕事用の印鑑

日本はハンコ社会。会社で仕事している時は、シャチハタ一本(認印)あれば、用が足りた。独立して決済者となると、それなりの印鑑が必要になる。
仕事用の印鑑には、次のようなものがある。
 

仕事に必要な印鑑

印鑑の種類 個人名の場合 屋号の場合 会社設立 用途
代表者印 (実印) (実印) 契約書等の決済文書他
銀行印 銀行取引
会社印(角印 納品、請求書、契約書等
仕事印(認印) 担当者欄

※屋号を付けた場合は、角印を作っておくと体裁が整うというものだ。
  ゴム製の角印なら、1000〜3000円程度で作ることが出来る
※会社設立の登記手続きには「代表者印」が必要となる。

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