クリエイターのための自営学Top > <独立成功>完全マニュアル | ||||||||
「自営学」が本になりました! 「クリエイターのための自営学」は、独立してから15年目を迎えた時に、それまでを振り返り、独立後に痛い思いをしたことから、独立前に何をしておいたらよいか、独立するにはどんなスキルが必要になるのかを、体系立ててまとめたものです。これから独立しようと思う皆さんのお役に立てばと思い、Webへ公開しました。 公開直後から多くの反響をいただき、セミナーや講演活動を通して、独立支援活動を行っています。All About フリーランス・ガイドに選出いただいたのも、この「自営学」が切っ掛けになりました。 この度、明日香出版さんからお話をいただき、「自営学」をベースにして、独立準備から1年目をどうやってクリアするか、そこへ焦点を絞り込んだ本を書かせていただきました。『独立』という人生の選択を、ぜひ成功させていただきたい、という思いをめいっぱい込めてあります。応援エールとして、受け取っていただけたら幸いです。 幸せな人生って、何だろう 私にとっては、 やりたい仕事、好きな仕事を 私は、経済的に自立したかったので、卒業すると、迷うことなく就職先を探して会社員になった。収入を得るためには、就職することが、ごくごく当たり前のことだった。 しかし、26歳の時、私はつくづく会社員には向かない性格だということが分かって、会社を辞めることにした。上司の言う事が聞けないのだ。私は、自分で「それはおかしいだろう」と思うと、いくら上司の命令であっても、たとえそれが社長の命令であっても、聞くことができなかった。上司からすると、超ド級の扱いにくい部下だったと思う。 その後、何を仕事にしていこうか、自分探しをした後に、結果的に独立することを選択した。31歳の時だった。本当に自分がやりたい事、好きな事をしたいと思うと、自分が社長になる、つまり、独立してやっていくしかないということになった。 仕事がデキるだけじゃ、独立してやっていけない 私は、誰の指図も受けず、自分のやりたい事を自由にやれる時間と環境を手に入れた。しかし、それは、想像を超えるリスクを背負ったことの引き換えであったことに、独立当初の私は、気づくよしもなかった。独立1年目は、平均睡眠時間が3時間程度だったと思う。昼間は営業をして、夜に企画書を書き、それを持って、翌日また営業に出かけた。人の3倍は働いたので、売上は順調に増えていった。仕事は、とても1人ではこなしきれない量になった。 好きな仕事をして生きていくために必要な力とは 私に不足していたのは、「経営力」だった。それは、仕事をこなすために必要な能力とは、全く別次元のものだった。私は、幸運にも、このスキルを仕事を通して学ぶことができた。単に広告媒体を企画制作する仕事から、ベンチャー企業の新規事業開発に参加させていただく機会を得て、そこで、数字を言語にした事業企画を書き、その企画を実際に事業のカタチにしていくプロセスを経験させていただいた。1年目、その事業から約3億を売り上げた。その経験を通して、100人の会社も1人でやる事業も、経営するという意味においては、全く同じであることが分かった。逆に、経営に必要な機能を1人でやるほうが、さらに戦略が必要になることを知ることになった。 私は、それから、中小企業のマーケティングに関わる仕事を10年以上してきているが、日本に数多くある20名以下の企業で「経営」をしている会社は非常に少ない。大手の下請けをしていれば、仕事がある間は存続していけるからだ。そして、フリーランスや個人事業においては、独立しても自立している人は少ない。私を含めて、経営を知らずに、独立起業する人がいかに多いかということになる。 独立1年目をあなたの伴走者となって応援したい 私は、7年前から、セミナーやWebを通して独立支援活動を行っている。これは、独立後に必須となる知識や情報を、独立前の皆さんへお伝えしたいという思いからだ。本書は、独立を成功させていただくために、特に、独立前から独立1年目をどうクリアするかに焦点を絞っている。残念ながら、そこで半数近くの人が脱落してしまうからだ。 独立を決意して新たなスタートをきろうとしているあなたへ、本書を通して、心から応援エールを贈りたいと思う。ぜひ、自分を生かせる環境を手に入れて、おもいっきり楽しく仕事をしていただきたいと心から願ってやまない。 2008年1月 塚田 祐子 |
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< あとがき > 困った時が成長のチャンス! 人は経験を通して学んでいく。ただ1つ、振り返って、もったいないと思うことは、失敗したり、困難な問題に出合った時に、必要以上に悩んだり落ち込んでしまった時間だ。その間は、考え方もマイナス思考、意気消沈しているので、何をやってもうまくいかなくなる。 「自分の生活状態がどうも具合悪いなということならば、どこか自分の中にマイナスの想念だとか、意志の薄弱さだとか、積極的な行動性がないとかということで大いに反省してやらなければいけない。 要は自分の心の使い方を打開するという方向へ向けてもっていくことです。そのうちなんとかしてやろうというような生温いスローテンポなことではなくて、いまただちに、自分につきまとうマイナス現象を打開するのだということでなければならない。」 これは、禅宗のお坊さんで三村剛輝さんという方が、「開運論」と題した講話の中で話されたものだ。クヨクヨしている暇はない、「即、打開!」というのが、心に響いた。これは、今でも私の座右の銘になっている。 後から思うと、ホトホト困った時、頭をかかえてしまった時が、成長のチャンスだった。それは、自分に何が不足しているかを知らせてくれるサインのようなものになる。だから、何が起こっても、ヘコんだり、自信をなくしたりせず、前向きに取り組んでいってほしいと思う。壁にぶち当たって前へ進めないと思ったものが、俯瞰して見ると、それは「成長の階段」で次のステップへ進めるところまでやってきた、ということだったりするからだ。 自分は、誰の役にたてるか 独立は、自分のやりたい事、好きな事をやるためだったけれど、仕事をして何が嬉しいかというと、お客様の役に立ち、喜んでもらえた時だ。仕事をしてお金をいただけるかどうかは、お客様が求めるものを、自分が提供できるかどうかにかかっている。何が求められるかは、時代によって変わっていく。自分自身も、年齢を重ねて、提供できるものが変わっていく。10年20年と事業を継続していくには、常に、自分は誰の役にたてるのか、ということを自問自答していく必要がある。 仕事は、儲けられないと継続できないが、儲かる仕事を続けていけるかというと、そうではない。その仕事を通して、自分も成長し、真のやりがいや喜びを感じることができないと、なかなか仕事へのモチベーションを維持することが難しい。 独立した事業が、自分にとっての天職となると、それはとても幸せなことだ。そうなるような選択をぜひしてほしいと思う。 2008年1月 塚田 祐子
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