それでは、青色申告書を作成するために、知っておきたい経理用語をご説明していきます。
■最低限必要な「経理用語」の基礎知識
【複式簿記】
1年間どれだけ稼いだかを見るには、単純に<総売上−必要経費=利益>という損益計算をすれば良いわけです。しかし、これでは手元にどのくらいの現金等の「資産」があるのか、また借金などの「負債」があるのかまでは分かりません。この「資産」と「負債」の増減を合わせて把握できる帳簿方式を「複式簿記」といいます。
【必要経費】
仕事を行うために使った費用すべてのことです。自宅を事務所にしている場合には、その専有率や使用率によって、家賃や光熱費、通信費の一部も必要経費として認められます。
【勘定科目】
「資産」「負債」「費用」「収益」等の取引の内容を細分化した項目のことです。費用の勘定科目に該当するものが無い場合は、自由に作ってかまいません。例えば、資料費、新聞図書費、打合会議費てな具合です。
【減価償却】
仕事に使用するパソコンや機材等は、「固定資産」となります。それぞれ設定された耐用年数により、1年毎に失っていく価値を「減価償却費」と呼んで、毎年この金額分が経費となります。少額の資産は、一括して購入した年の経費にできるという特別措置があります。減価償却の計算方法には「定額法」と「定率法」とがありますが、一般的には、定額法を採用します。(定率法を採用する場合→事前に税務署へ届出が必要)
【事業主貸/事業主借】
個人事業の場合、「売上」を仕事の「経費」だけでなく、「生活費」にも使います。「事業主貸」というのは、個人の生活費に使ったお金を意味する勘定科目です。事業主としての自分が、個人の自分へ給料代わりに生活費を支払った、というカタチになります。個人の生活費と、仕事の必要経費とを明確にわけることが重要なポイントです。
その反対に、事業主の私が、個人の私から、開業資金や事業資金を借りた場合は、「事業主借」ということになります。借りたお金は、収入として扱わないのでご注意を。
(※この科目は、個人事業特有のもので、会社法人の経理には登場してきません。)
【元入金】
個人の資金から、開業資金として用意したお金のことです。「元入金」という勘定科目となります。
【発生主義】
現金の動きをそのまま記録する帳簿のつけ方を、「現金主義」と呼びます。それに対して、青色申告の正規の簿記では「発生主義」をとります。これは、仕事が完了して請求書を出した月に、売上を「売掛金」として計上します。その後入金になると、売掛金の回収として記録します。経費についても、当該月の経費はその月の分として計上します。年度末などの場合は、「未払金」という扱いになります。
【源泉徴収】
個人事業では、請求書の金額から「所得税」(通常10%)が前もって差引かれて支払われます。これを「源泉徴収」と呼びます。差引かれた源泉徴収金額は、所得税を前払いしているわけで、翌年の確定申告後に、納め過ぎた分が戻ってきます。源泉徴収されていた場合は、各取引先から、「源泉徴収票」をもらうことを忘れずに。通常は、郵送されてきます。
青色申告の難関は、正規の簿記で記帳することです。とりあえず経理のガイド本を買ってはみても、簿記の基礎知識がないと、「仕訳」とか「貸方/借方」とかの経理用語がピンとこなくてまいってしまいます。もうそれだけで、挫折しそぉ〜になる方が多いようです。
ここは、難解な経理用語にあえてチャレンジせず、会計ソフトを使って、帳簿作業はパソコンに任せましょう。帳簿形式の入力方法と操作を覚えれば、後は比較的楽にクリアできるはずです。
自分でやることで重要なのは次の3つ。“キチンと管理”がキーワード! マメじゃない方は、チョットだけ頑張って下さい。
1. 入ってくるお金をキチンと管理する
2. 出て行くお金をキチンと管理する
3. 仕事の経費と個人の生活費をキチンと区別する
キチンと管理するには、次のようなことが必要です。
1. 仕事用の銀行口座をつくり、個人のお金の出入りと区別する
2. 領収書を必ずもらうクセをつける
(→記帳したらノートに貼る)
3. 交通費をメモするクセをつける
4. 現金出納帳に使った費用をコマメにつける
■会計ソフトの選び方
市販されている主な個人事業向け会計ソフトには、次のようなものがあります。ソフトのタイプは、2つに分けられます。1つは、日々のデータを経営に役立てる、本来の目的の『会計業務ソフト』。もう1つは、その機能の中から、青色申告書作成に必要な機能だけを取り出した『青色申告ソフト』です。
ソフト選びのポイントは、「必要とする機能」「サポート体制」「操作性」「価格」「拡張性」となります。また、「自分で全てやる」のか、「決算処理は税理士へ依頼する」のかによっても、かわってきます。
税理士へ依頼予定の方は、ソフトを購入する前に、是非相談をして下さい。税理士推奨のソフトであれば、操作の指導も受けやすく、データのやり取りもスムーズに行えます。
それでは以下へ、タイプ別におすすめソフトをご紹介します。
※★印のあるものは体験版をダウンロードできます。
※実売価格は、Amazon.comの販売価格です。(2005.1.21 現在)
※購入前に、OS、動作環境を確認して下さい。
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